大腸がんの治療法まとめ

大腸がんの治療法は、他の多くのがんと同様、大きく分けて「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線療法」の3種類あります。

これらのうち、どれを選ぶかは、がんが発見された時のステージ(病期)や、患者さんの年齢・体力などによります。

一般的に、もっとも完治が期待できるのは手術です。発見さえ遅れなければ、手術で病巣をきれいに取り除くことで、大腸がんを克服することができます。

また大腸がんでは、手術・抗がん剤・放射線の3大治療の他にも、ごく初期のがんなら「内視鏡治療」という簡単な治療で済む場合もあります。

ここでは、それぞれの大腸がんの治療法についてご紹介していきましょう。

大腸がんの「内視鏡治療」

大腸がんの治療法の中でも、もっとも簡単に済むのが内視鏡治療です。その名の通り、内視鏡を使った治療法で、ごく早期の大腸がんに対して行なわれます。

対象となるケース

原則として0期もしくはT期の大腸がんが対象です。粘膜〜粘膜下層の浅い部分までにがんがとどまっている段階で、リンパ節転移がなく、腫瘍の直径が2センチ未満の場合に行なわれます。

ただし2センチ以上でも、状態によっては実施することもあります。

治療方法

検査に使われる大腸内視鏡の先に付いた器具で、腫瘍を切除します。

腫瘍に金属製の輪をかけて、高周波電流を流して焼き切る「ポリペクトミー」や、腫瘍の根元に生理食塩水を注入して浮き上がらせてから電流で焼き切る「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」など、腫瘍の状態に合わせていくつかの方法があります。

メリットとデメリット

大腸内視鏡検査と同時に行なえる治療ですので、非常に手軽にできる点がメリットです。また開腹する必要がないため、患者さんの身体的負担も軽く済みます。

ただし、切除した組織を病理検査にかけ、がん細胞の取り残しがあると判断された場合は、あらためて外科手術を行なうこともあります。

大腸がんの「手術」

あらゆるがんの、もっとも基本となる治療法です。最近では開腹をしない「腹腔鏡手術」を行なうケースも増えています。

対象となるケース

大腸がんで手術の適応となるのは、基本的にT期〜V期までです。粘膜内にとどまっている早期のがんであれば、内視鏡治療の対象になりますが、状態によっては手術を行なうこともあります。

治療方法

がんのできた腸管と一緒に、周りのリンパ節も切除します。もしもリンパ節にがん細胞が入り込んでいた場合、そこから他の臓器に転移してしまうため、予防的に切除する必要があるからです。

大腸の中でも、肛門から離れた「結腸」は、20センチほど切除しても特に消化に問題はありませんし、リンパ節切除による影響もほとんどありません。

ただし肛門に近い「直腸」の場合、膀胱や生殖器に近い上、自律神経や肛門括約筋なども周りに存在するため、手術の難易度は上がります。

なるべく他の臓器や神経を傷つけないよう、慎重に手術が行なわれますが、何らかの後遺症が残る可能性は否定できません。

また、直腸がんの進行具合によっては肛門ごと切除しなければいけないこともあり、その場合は人工肛門(ストーマ)を造設します。

メリットとデメリット

手術は、多くのがんにおいて、もっとも根治が期待できる治療法です。がん細胞を取り残すことなく病巣を切除できれば、それだけでがんを治すことができます。

一方、手術による体の負担や、後遺症のリスクはデメリットといえます。特に直腸がんの手術は、上述したように難易度が高いため、事前に医師とよく相談した上で納得して受けることが大切です。

大腸がんの「放射線療法」

X線やγ線などの放射線を、体の外から病巣に向かって照射する治療法です。腫瘍にダメージを与えて小さくすることで、生存期間を延長したり、痛みを緩和させたりできます。

化学療法を合わせて実施されることも多く、その場合は「化学放射線療法」と呼ばれます。

対象となるケース

大腸がんで放射線療法が行なわれるケースは2つあります。1つは、既に手術ができないW期です。少しでも腫瘍を縮小させることで、QOLを保ちながら延命できるようにします。

もう1つは、手術の補助的に行なわれる場合です。特に直腸がんの手術前に放射線療法を行なうと、腫瘍が小さくなって手術範囲が狭くなり、肛門を温存できることがあります。

治療方法

治療中に体が動かないよう、事前に患者さんに合った固定器具を作成し、それを付けて治療を受けます。1回につき15分程度の照射を、何度かに分けて行ないます。

メリットとデメリット

放射線は抗がん剤よりも体にかかる負担が少なく、高齢の患者さんにも比較的安全な治療法です。

ただし、許容範囲内ではあるものの放射線の被ばくがありますので、治療を受けられる回数には制限があります。

また、照射した部位の皮膚炎や、腸管・膀胱からの出血など、副作用が起こる場合もありますので、慎重な経過観察が必要です。

大腸がんの「化学療法」

抗がん剤を使った治療法です。抗がん剤は血液に乗って全身に運ばれるため、手術や放射線療法と異なり、複数の腫瘍に効き目が期待できます。

対象となるケース

大腸がんにおける化学療法は、放射線療法と同様、「手術ができない場合に少しでも腫瘍を小さくするために行なう」場合と、「手術の補助的に行なう」場合とがあります。

たとえば、進行がんの手術後に補助的に抗がん剤を使うことで、取り残したかもしれないがん細胞を攻撃することができ、再発予防が期待できます。

治療方法

抗がん剤には、点滴薬と内服薬があります。内服薬は、基本的に外来での治療が可能です。また点滴治療の場合も、休薬期間には自宅に帰ることができますので、病院と自宅を行ったり来たりしながら治療を受けることになります。

また、最近では点滴も外来で受けられるケースが増えています。

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