大腸がんにかかる手術・治療費用

がん治療というと、気になるのが費用の問題です。「がんになったというだけでもショックなのに、お金の面でも苦労することになるのでは…」と、暗い気持ちになってしまう方もいるかもしれません。

手術にしろ抗がん剤にしろ、確かにがんの治療費は決して安いものではありませんし、治療によっては継続的に受けなければいけない可能性もあります。

ただし、日本には「高額療養費」という制度がありますので、それを利用すれば驚くほど莫大な金額を支払うことはまずありません。

ここでは、大腸がんの治療にかかる料金の目安と、利用できる助成制度などについてご紹介していきます。

大腸がんの手術費用

大腸がんの手術にはいくつかの種類があり、それぞれ費用も変わってきます。

内視鏡治療

もっとも安く済むのは内視鏡治療です。大腸内視鏡の先に付いた器具を使って、腫瘍を切除する方法で、この場合は3割負担でおよそ15,000〜30,000円の間になります(治療法や、腫瘍のサイズによって変わってきます)。

ただし、内視鏡治療の中でも、新しい技術である「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」という方法は治療費が高く、3割負担でおよそ50,000〜70,000円ほどかかります。

開腹手術

大腸がんの開腹手術は、術式にもよりますが、結腸がんの手術でおよそ30〜40万円、直腸がんの手術でおよそ40〜50万近くが相場です(いずれも3割負担・2週間程度の入院)。

合併症などで再手術や専門の治療が必要になった場合は、さらにかかります。

腹腔鏡手術

大腸がんの腹腔鏡手術は、入院代も合わせて、およそ50〜60万です。

大腸がんの放射線療法の費用

大腸がんの放射線療法の料金は、使用する放射線の種類や照射回数、照射する部位などによって異なります。

平均的なところでは、初回のみ3割負担で約20,000円、2回目以降は約5,000円が相場です。これを全25回行ったとすると、合計で15万ほどかかります。

大腸がんの化学療法の費用

抗がん剤治療は、一般的に高額になりやすい治療です。使う薬剤によっても異なりますが、薬代が高い上に、継続的に使用する必要があるからです。

たとえば、大腸がんによく行なわれる「FOLFOX療法」(フルオロウラシル+L-ロイコボリン+オキサリプラチン)の場合、3割負担で1ヶ月あたり約11万円がかかります。

また、新しい抗がん剤である「分子標的薬」では、「ベバシズマブ」で1カ月当たり約8万円、「パニツムマブ」では約14万円かかります(いずれも3割負担)。

抗がん剤は新しいものほど薬剤費が高いため、承認されたばかりの薬を使う場合はさらに費用がかかる可能性もあります。

高額療養費制度を活用しよう!

手術と入院で数十万、抗がん剤で月10万以上かかるとなると、「そんなに払えるわけがない!」とびっくりする人が多いと思います。しかし実際は、その金額をすべて窓口で支払う必要はありません。

日本には、このように医療費が高額になった人のための「高額療養費」という制度があります。これは、収入に応じて月々の医療費の上限を決め、それを越える分については支払いが免除されるシステムです。

月々の上限(自己負担額)は、年齢や収入に応じて決まります。

70歳未満の場合

所得ごとの自己負担限度額の上限(70歳未満)
所得区分 自己負担限度額 多数該当
@区分ア(標準報酬月額83万円以上) 252,600円+(総医療費−842,000円)×1% 140,100円
A区分イ(標準報酬月額53万〜79万円) 167,400円+(総医療費−558,000円)×1% 93,000円
B区分ウ(標準報酬月額28万〜50万円) 80,100円+(総医療費−267,000円)×1% 80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
C区分エ(標準報酬月額26万円以下) 57,600円 44,400円
D区分オ(被保険者が市区町村民税の非課税者等) 35,400円 24,600円

※多数該当…高額療養費を活用した月数が、1年間で3月以上あった場合に該当

70歳以上75歳未満

所得ごとの自己負担限度額の上限(70歳以上75歳未満)
所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯)
@現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割) 44,400円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%(多数該当:44,400円)
A一般所得者 12,000円 44,400円
B低所得者 8,000円 24,600円
15,000円(非課税者)

たとえば70歳未満で、月収30万の方の場合、月々の自己負担限度は8〜9万円になり、10万を越えるようなことはほぼありません。さらに月収の低い方では、5万円台、3万円台が上限となります。

高額療養費制度を活用するには、加入している保険組合に連絡し、「限度額認定適用証」を発行してもらう必要があります。

それをあらかじめ病院の窓口に提出しておけば、上限額を越える分については支払わなくて済みますので、大腸がんの治療を受ける前に必ず申請しておきましょう。

ただし高額療養費制度は、あくまで月々の医療費に対しての制度ですので、たとえば入院が月をまたいだ場合などは適用にならない可能性も出てきます。不安な方は、事前に病院の会計課などに相談してみてください。

年間の医療費の一部が返ってくる「医療費控除」も

医療費控除は、年間にかかった医療費が高額になった場合、自分が納めた税金から一部が還付される制度です。対象となる金額は最高200万円までで、次の式で計算されます。

(実際に支払った医療費の合計額−【1】の金額)−【2】の金額

【1】保険などで補てんされる金額

たとえば生命保険の入院給付金や手術給付金、保険組合からの傷病手当金など、治療費を補てんする何らかのお金が入った場合、それらが差し引かれます。

【2】10万円

ただし、その年の所得額が200万円未満の場合は、所得金額の5%の金額になります。

大腸がんの治療で年に数十万以上の医療費がかかった場合、一部が還付される可能性がありますので、治療に関わる領収証はすべて保管しておき、年明けの納税時期に近くの税務署へ申請しましょう。

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