大腸がん末期の症状や治療法

大腸がんが進行し、遠隔転移した末期になると、腸のみならずさまざまな部位の症状が表れるようになります。お腹の症状に気づかなかった場合は、転移先の症状でようやく病院に駆け込むことも少なくありません。

そんな末期の大腸がんになると、完治を目指すための積極的な治療ではなく、症状を和らげる「緩和ケア」が中心となります。

末期がんには、独特の辛い痛みがあるため、それを鎮痛剤で和らげたり、病巣に放射線を照射したりします。

ただし状態によっては手術ができる場合もあります。全体の中の割合としては低いものの、病巣をすべて切除して完治する人もいるほどです。そんな末期大腸がんの症状や治療法について、詳しく解説します。

末期大腸がんの症状〜お腹にまつわる症状

大腸がんは初期症状が少ないがんです。あっても軽い貧血、人によってはほとんど何も感じなかったというケースも少なくありません。

しかし大腸がんは進行すると、さまざまな症状が出るようになります。大腸の症状では、次のようなものが代表的です。

便が細くなる

腫瘍が成長すると腸管が狭くなるため、便の通りが悪くなります。便がごく細くなって出てくる「便柱狭小」という症状が続く場合は、腫瘍ができている可能性があるため、早めに受診することが大切です。

お腹が張る、吐き気がする

腫瘍によって腸管が狭くなると、最終的には腸が詰まってしまう「腸閉塞(イレウス)」を引き起こします。

腸閉塞になると便が先に進めないため、腹部膨満感を感じるほか、便が腸を逆流して吐き気につながることもあります。腸閉塞を放置すると、腸の壊死や意識障害などにもつながりますので、早急な処置が必要です。

また、同じ症状を引き起こす病態として「がん性腹膜炎」もあります。大腸がんが進行すると、最終的にがん細胞がお腹いっぱいに広がり、腸が癒着を起こします。

そうなると、腸閉塞となって腹部膨満感や吐き気が表れるほか、発熱や呼吸困難、腹水、全身衰弱などのさまざまなつらい症状につながっていきます。

食欲が減る、体重が減る

大腸がんに限らず、末期がんになると「悪液質」という衰弱状態になり、食欲がなくなって体重が落ちることが一般的です。

ここまで放置できるケースは多くないと思いますが、ダイエットをしていないのに急に体重が落ちたような場合は、必ず受診するようにしましょう。

末期大腸がんの症状〜転移先の症状

末期の大腸がんは遠隔転移しているため、転移した部位によって色々な症状が出てきます。

肝臓に転移した場合の症状

肝臓は、大腸がんがもっとも転移しやすい臓器です。しかし肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど症状が出にくく、かなり病に侵されていても残った部分ががんばるため、異常に気づきにくい臓器でもあります。

肝転移が進行すると、白目や尿、皮膚などが黄色くなる「黄疸」や、全身倦怠感、食欲不振などが現れるようになります。

肺に転移した場合の症状

肺も毛細血管が豊富なため、大腸がんが転移しやすい臓器です。肺転移した場合は、頑固な咳や血痰、胸水による呼吸困難などが起こります。

脳に転移した場合の症状

大腸がんが血液に乗って、遠く離れた脳にまで転移することもあります。

脳の場合はどこに転移したかによって表れる症状が異なり、頭痛や吐き気をはじめとして、運動障害や言語障害、記憶障害、人格の変化など多様な症状が起こり得ます。

骨に転移した場合の症状

大腸がんは骨に転移しにくいがんですが、転移した場合は骨が溶けてもろくなり、ちょっとした刺激で骨折してしまったり(病的骨折)、つらい痛みを感じたりします。

末期大腸がんの治療法は、人それぞれ

末期大腸がん治療には、いくつかの選択肢があります。

V期までであれば、「何はなくともまずは手術」というのが標準治療ですが、末期のステージWになると、患者さん1人ひとりの状態によってできる治療が変わってくるのです。

手術

末期大腸がんの手術には、2種類あります。1つは根治を目的とした手術、もう1つはつらい症状を緩和するための、対症療法としての手術です。

前者は、原発巣・転移巣ともに切除可能な場合に限り、受けることができます。

他のがんでは、W期になると根治を目的とした手術はほぼ行なわれませんが、大腸がんの場合は肺や肝臓に転移していても、病巣が限局的な場合は、手術によってすべての病巣を取り除ける可能性があります。

もちろんそのためにはさまざまな条件が整わなくてはいけませんし、ステージWの大腸がん全体の中では決して多くはありません。それでも、可能性はゼロではないことは確かです。

対症療法としての手術は、おもに原発巣に対して行なわれます。原発巣によって便通障害や痛みなどの症状が出ている場合は、手術で除去することで緩和が期待できるからです。

化学療法

ステージWの大腸がんでは、腫瘍を少しでも小さくするために化学療法が行なわれることがあります。

患者さんの体力が十分ある場合に限られますが、抗がん剤は全身に届けられますので、体内にある複数の腫瘍に対して効き目が期待できます。

また肝転移している場合、状態によっては肝臓に直接、管を通して抗がん剤を届ける「肝動注療法」が行なわれることもあります。

放射線療法

緩和ケアの一環として、放射線療法がよく実施されています。原発巣のほか、肺転移、肝転移、脳転移のいずれも対象です。病巣を放射線で攻撃して小さくすることで、つらい症状を緩和させることができます。

その他の治療末期

末期の大腸がんでは、上記のほかにもモルヒネ投与などの鎮痛治療や、カウンセリングなどの精神療法、腹水を抜く処置など、症状を緩和させるためのありとあらゆるケアを受けることができます。

がんの治療を行なう大きな病院では、緩和ケア専門のチームが組まれていますので、必要な治療があれば遠慮なくお願いするようにしましょう。

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