大腸がんの原因と考えられるものまとめ

大腸がんにならないためには、大腸がんの原因を知り、それを避けることが一番です。

大腸がんの原因はすべてが明らかになっているわけではありませんが、さまざまな研究の結果、「リスクを上げるもの」はいくつか分かっています。

大腸がんの原因となるのは、大きく分けて「生活習慣」と「遺伝」の2つです。

遺伝は先天的な体質ですから、それ自体を変えることはできませんが、家系に大腸がんにかかった人がいる場合は早めに検査を受けるなどして、早期発見につなげることはできます。

一方、生活習慣のほうは本人の努力しだいで改善できるものです。どんな習慣が大腸がんの原因になるのかについて、詳しくご紹介していきましょう。

肥満は、大腸がんの重要なリスクファクターに!

肥満は、「明らかに大腸がんのリスクを上げる」と認められているものの一つです。特に男性において、その影響が顕著であるといわれています。

国立がん研究センターの予防研究グループが行なった調査では、「体重÷身長の2乗」で表されるBMIの数値によって、大腸がんの発生リスクが変わることが分かりました。

特に男性では、BMIが27以上のグループで確実なリスク上昇が見られたのです。一方、女性では明らかな因果関係は認められませんでした。

肥満になると、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが作用しにくくなる「インスリン抵抗性」という状態を引き起こし、これが大腸がんのリスクファクターになると考えられています。

肥満の方は、できるかぎりBMIが27を越えない程度にまで減量することをおすすめします。

飲酒も、大腸がんのリスクを明らかに上げることが判明!

お酒も、大腸がんと深い関わりがあると指摘されています。

国立がん研究センターの予防研究グループが、約20万人の男女をアルコール摂取量によっていくつかのグループに分けて追跡調査した結果、男性で約1,700人、女性で約1,000人が大腸がんにかかりました。

そしてアルコール摂取量との関連性を調べたところ、男女とも、アルコールを日常的に摂取するグループのほうが、まったく飲まないグループよりも明らかにリスクが上がることが分かりました。

また、1日のアルコール摂取量が15g増えるにしたがって、大腸がんリスクがおよそ10%上がる計算になることも分かっています。つまりお酒をたくさん飲めば飲むほど、リスクが上がるということです。

特に、お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人はアルコールを分解する酵素が少ないため、アルコール代謝の途中で発生する「アセトアルデヒド」という発がん性物質の影響を受けやすいと考えられています。

適正飲酒量を守るようにしましょう。

喫煙は、大腸がんのリスクを上げる可能性がある!?

あらゆるがんのリスクを上げる喫煙ですが、大腸がんとも関係があるのでしょうか。

これも国立がん研究センターの予防研究グループが調査を行なったところ、明らかな因果関係は認められなかったものの、特に日本人に多い「直腸がんのリスクを上げる可能性がある」と結論付けています。

また、喫煙は大腸がんの直接的な原因にならなくても、リスク要因である糖尿病や大腸ポリープとは深い関係性があることが分かっています。多角的に考えると、やはり禁煙するに越したことはありません。

肉食をすると、大腸がんのリスクが高くなる!

「日本人に大腸がんがこれだけ増えたのは、肉食をするようになったからだ」という話をよく聞きます。

実際、肉食と大腸がんに関連性があるのかについて、国立がん研究センターの予防研究グループが調査したところ、やはり肉食は大腸がんリスクを上げるという結果が出ました。

予防研究グループは、肉の摂取量によって対象者を5つのグループに分けて追跡調査を実施しました。

その結果、女性では特に牛や豚などの赤肉の摂取量が多いグループにおいて、直腸がんのリスクが高くなることが分かっています。

一方、男性では肉類全体の摂取量の多いグループで、結腸がんのリスクが高まるという結果が出ました。

ちなみに、欧米で大腸がんのリスクを上げるといわれているハムやソーセージなどの加工肉については、特に因果関係が認められず、「日本人の平均的な摂取量であれば問題ない」と考えられています。

肉食が大腸がんにつながるのは、消化の際に分泌される「二次胆汁酸」の中に発がん性物質が含まれているから、というのが定説です。また、赤肉に含まれるヘム鉄による酸化作用も関係するといわれています。

とはいえ、肉類は良質な鉄分やタンパク質を含む食材でもあります。適度な量にとどめ、できるだけ野菜と一緒にとるようにしましょう。

一部の大腸がんは、遺伝が原因となっている!

大腸がんの中には、生活習慣とは関係のない遺伝的な原因によるものもあります。原因となる体質としては、以下の2つが代表的です。

家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)

若い年齢から、大腸全体に100個以上のポリープ(腺腫)ができる遺伝性疾患です。

これらのポリープの一部は、将来的にほぼ確実に悪性化することが分かっているため、なるべく早い時期に予防的に結腸(必要に応じて直腸)の全摘出を行ないます。

発見さえできれば、大腸がんを予防できますので、家系にこの体質の人がいる場合は早めに検査を受けることが大切です。

遺伝性非ポリポーシス大腸がん(リンチ症候群)

こちらはポリープとは関係なく、大腸がんにかかりやすい先天的な体質です。大腸がんのみならず、子宮体がんや卵巣がん、小腸がん、腎盂・尿管がんなどを発症しやすいことが分かっています。

診断基準としては、「アムステルダム基準」がよく使われています。家系内に少なくとも3名以上の大腸がん患者がいる上で、下記の基準を満たしていることが条件です。

アムステルダム基準の条件一覧

  • そのうち1名は、他の2名に対して第一度近親者(親・子・兄弟)であること
  • 少なくとも2世代にわたって発症していること
  • 少なくとも大腸がんの1名は50歳未満で診断されていること
  • 家族性大腸線種症の可能性が除外されていること
  • 腫瘍の組織学的診断が確認されていること

上記の条件を満たしている場合、リンチ症候群の体質の可能性があります。心当たりのある方は、一度大きな病院などで「遺伝子カウンセリング」を受けておくと安心です。

このように大腸がんの原因と考えられるものはいくつかありますが、全体的には遺伝よりも生活習慣のほうが大きいと考えられています。ぜひ生活習慣を見直し、大腸がんを予防しましょう。

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